旅のチカラ、旅のカケラ

58ヶ国、世界一周の旅。それはもう遠い夏のようだ。500日間世界を駆け巡り、300本を超える長距離バスに揺られ続けた。
旅を終えて社会に復帰したが、一度崩してしまった積み木を再び積み上げているとこで、なかなか思うようにはいかない…。それでもなんとか東京で闘っている。またいつか、夢のつづきを追いかけるために。


ロードムービー

2010.09.16 Thursday 23:49
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    チャンチャンチャン

    ドンドンドンドンドン。

     

    不思議な音で目が覚めた。

    何だろうと窓の外を覗いてみると、

    おっと、この部屋には窓がない…。

    部屋から出てテラスに向かった。

     

    チャンチャンチャン

    ドンドンドンドンドン。

     

    祭りだ!

     

    道路の両端には人だかり。

    そしてその中央を民族衣装に身を包んだ

    パレード隊が練り歩いていた。

    鍬や鋤、盾や槍を持った人たちの列が

    太鼓の音に合わせて踊り跳ねる。

    フィリピン版“よさこい”といったところか。





     

    カメラを携え、道路に飛び出し

    最前列を陣取って祭りを鑑賞することに。

    照りつける日差しが今日も眩しかった。

     

    さて今日は移動日。

    ここボントックから首都マニラまで

    一気に南下する。

    名残惜しい気もするが

    この時期は雨で道が冠水するので

    早めにマニラに向かっておくのが得策だ。

    出発は午後3時。よし、まだ6時間もある。

     

    朝食はいつも通り市場の食堂で済ませる。

    昨日と合わせて3回目なので

    すっかり顔を覚えてもらった。

    鍋を開け、気に入ったおかずを指差す。

    スープとライスはセットなので

    あとはコーラを1本付ければOK。

    スプーンでごはんとよく混ぜて勢いよくかきこむ。

    うん、旨い!




    食後は別のカフェでハロハロを注文。

    店ごとに内容が異なるようで

    今回のハロハロはミントのアイスと

    豆の甘露煮がよく合っていて旨い。



     

    一度宿に戻りチェックアウトを済ませる。

    荷物をそのまま預かってもらい

    今度は博物館へ向かうことにした。

     

    「ボントック博物館」

    ここでは山岳民族の暮らしが覗ける。

    「ハロー」

    受付には誰もいない。

    しばし館内を巡るもやっぱり誰もいない。

    外に出て庭に回ってみた。

    おばちゃんがひとり草むしりをしている。

    「ハロー」

    声をかけると汗を拭いながら

    「ようこそ!」

    と、抜群の笑顔で応じてくれた。

     


    入場料は
    50ペソ(約100円)。

    館内には山岳民族の写真や絵画、生活用品が

    ところ狭しと並べられている。

    民族ごとにブースが区分けされ

    英語で何やら説明書きがあるが

    翻訳するのが面倒だったので

    展示物だけをじっくり見ておいた。

     

    庭には民族の伝統的な家屋が再現されていて

    中に入ることもできる。

    こんな山奥の小さな町にしては

    ずいぶんと力の入った博物館だと感心した。





     

    1時間ほどブラブラし、隣接する土産店に足を運んだ。

    こういう場所の土産はたいがい高価なので

    冷やかしだけにしようと思ったが、いやいや安い!

    町で売られているものより品質が良く

    しかも値段はほぼ変わらない(むしろ安いかも)。

    マニラに行ったらきっと高くなるはずだから

    今のうちに買っておくか。

    長旅では荷物になるからと土産は断念していたが

    短期の旅だと土産探しも楽しい。


     


    そうこうしているうちに出発の時刻が迫ってきた。

    Cable Café」の前にはずいぶんとオンボロバスが…。

    まさかこれじゃないだろうな!?

    フロント部分にはしっかりと「マニラ」と書かれていた。

     

    ……。

     

    デラックスなバスを期待していたが

    まぁ仕方がない。

    幸い4列シートの隣は空席だったし

    一応エアコン付きだし。



     

    午後3時。

    定刻通りにバスは低い唸り声を上げた。

     

    ■ボントック→マニラ 所要時間12h/650ペソ(約1300円)





     

    このエアコンが曲者だった。

    最初は壊れてるのか?

    ってくらい生温かい風しか出なかったくせに

    どんどん元気になっていく。

    もういい加減寒いから!

    と、あさっての方向に向けるも

    車内はガンガン冷えていく。

    リュックから長袖を出して着込むも

    夜はとにかく凍えて眠れなかった…。

     

    別に明日が仕事でもないし、

    旅先では眠れない夜もまた楽しい。

    iPhoneを取り出し、好きな曲をチョイス。

    流れる景色と歌詞を追いかけ、

    “あの”旅を思い出していた。

     

    バスで世界一周。

    我ながらよくやったものだ。

    300本という長距離バスを乗り継ぎ

    58の国を巡った。

    森を抜け、砂漠を越え、草原をひた走った。

    もう一度やれ!と言われたら

    まず不可能だろう。

    人は一度辛い思いを経験すると

    強くなった気持ちになるが

    ホントは弱くなっていると思う。

    もうあんな思いは…

    ときに経験値が逆に足かせになるものだ。

    何も知らなかったから

    あんな大冒険ができたのだろう。

    すべては希望に満ちていたから。

    もし、人生に置き換えるなら、

    経験を生かすよりも

    未知のことに挑戦することのほうが

    きっと何倍もパワーが出ると思う。

    未知なる挑戦は実は勝機が多いのかも。

     

    気が付くと眠っていた。

    窓の外は無数のネオンが煌く。

    「マニラだ…」

    眠らない街が遠くに見えた。

     

    高速道路を降りたところで

    バスに異変が起きた。

    近くの原っぱに停車し

    運転手が何やら点検をはじめた。

    待つこと20分、

    運転手は困った顔でこう述べた。

     

    「ストップ・オーバー」

     

    はて、ここは一体どこなのだろう?

    運転手に尋ねると

    「ケソン」だと言う。

    えっ、ケソン!?

    嫌な予感がしてすぐに地図で確かめる。

    やっぱり…。

    マニラの中でも一番外れの地区。

    目的の宿はマラテ地区にあり

    ここからタクシーで行くとなると

    一体いくらかかることやら。

     

    しかも時刻は午前2時。

    都会の夜は怖い。

    タクシー代も気になるが

    何よりも身の安全が心配だ。

    マニラなんて怖いイメージしかないし…。

    ぐずぐずしながら荷物をまとめていると

    運転手に声をかけられた。

     

    「まだ暗いし危険だ。

    しばらくここで休んでいきなさい」

     

    故障したバスが急遽ホテルになった。

    運転手も一番後ろの席で眠りにつく。

    乗客も何人かがこのまま夜明けを待つようだ。

    これは助かった!と

    シートを深く倒して目を閉じる。

    遠くに街の喧騒を聞きながら

    夜より深く眠った。

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    虹の彼方へ

    2010.09.15 Wednesday 21:43
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      午前8時。今日も快晴。

      流しのトライシクルをつかまえて

      「バナウェ・ビューポイント」に向かった。

      バナウェからボントック方面に約4km、

      急勾配を駆け上げっていく。

      ここから見るライステラスは絶景だと、

      ガイドブックに書かれていたので

      これは行くしかないでしょ。

      朝の澄んだ空気に気分をよくしながら

      トライシクルに揺られること20分、

      目の前には「天国への階段」が広がった。







       

      棚田の高さは約1500m。

      これを端から端まで平らに延ばすと

      地球を半周する長さだとか。

      イフガオ族と自然が造り出した神秘の風景。

      イフガオとは「地上の人間」を意味し

      昔から萱葺きの高床式住居に住み

      臼と杵で赤米を脱穀する

      伝統的な生活を続けている。

      バナウェ・ビューポイントには

      そんなイフガオ族の人々と出会うことができる。





       

      さて、天国への階段を見たあとは移動。

      今日は「ボントック」に向かう。

      宿に預けていた荷物を受け取り

      ボントック行きのバスを探していると

      「ボントック、ボントック」と

      手招きする男性を見つけた。

      グッドタイミング!

      今まさに出発しようとしているジプニーだ。

       

      ジプニーとはフィリピンを代表する乗り物で

      かつて米軍が使っていたジープを

      乗合バスに改造したもの。

      派手な塗装と厳つい顔でして走っている。

       

      ■バナウェ→ボントック 所要時間3h/150ペソ(約300円)

       

      窓越しに「天国への階段」を見ながら

      その先、虹の彼方を目指した。

      この旅もそろそろ折り返し地点を迎えている。





       

      ボントックは暑かった。

      トライシクルやジプニーの騒音に包まれ

      町は人で溢れている。

      照りつける太陽と砂埃。

      アジアの喧騒と混沌になんだかワクワクしてきた。

       

      宿は目星を付けておいた「Churya-A」。

      ホットシャワー付きのシングルで400ペソ(約800円)。

      水シャワーなら半額だったがちょっと奮発。

      荷物を置くとすぐに「Cable Café」へ向かった。

      ここはマニラ⇔ボントックの長距離バスを扱う会社で

      マニラ行きのチケットを予約した。

      本当はボントックに2泊して

      「マリコン・ライステラス」を見に行く予定だったが

      この町のカオスが魅力的だったので

      町歩きに専念することにした。

      相変わらず移動が大好きなので

      じっとできない、そんな気持ちもどこかにあった。





       

      市場を覗き、隅にある暗い食堂で昼食を摂る。

      もちろんメニューはないので

      鍋を1つずつ空けて中身を確かめながら

      指差し注文した。

      フィリピンの食事はおかずを一皿頼むと

      すり潰されたようなライスと塩辛いスープが付いてくる。

      だいたい何を頼んでも50ペソ(約100円)。

      味はちょっと甘酸っぱさが混じっているが

      ボリューム満点で申し分なし。

      おかずは牛肉(たぶん水牛)、豚肉、鶏肉、

      魚(たぶんナマズ)の中から選べて

      豚肉が一番好みの味だった。


       



      食後は「ハロハロ」に挑戦。

      日本でもミニストップで人気の氷菓で

      カキ氷の上にアイスクリームやナタデココ、

      小豆や木の実が盛り付けられている。

      ここで食べたハロハロはなぜかニンジンがのっていて

      ちょっと不思議な味だった。

      ちばみにお値段は40ペソ(約80円)。


       


      旅の楽しみは絶景や美食だけではない。

      町歩きこそ、1番と言っていいほど心が踊る。

      小さな町をあてもなく彷徨い

      ほんのしばしここの住人になった気分に浸る。

      迷路のような細い路地を抜け

      高台を目指して町を見下ろす。

      子供たちにカメラを向ければ

      ハニカミながらもポーズを取る。

      撮った写真を見せ、キャハハと一緒に笑う。

      いいなぁ、このやさしい時間。

      しだいに陽は傾き、茜空と長く伸びた影が

      ひとりぼっちの淋しさを誘った。







       

      次にこうしてあてもなく旅できるはいつだろう?

      そう思うとこの瞬間は

      ホントにかけがえのない時間だ。

      ぎゅっと捕まえておきたいけど

      するりと手のひらからこぼれてしまう儚さ。

      だからこそいいんだろう。

      「旅には未練が必要」とずっと前の旅日記で書いた。

      未練があるからこそ、また次に訪れる理由になる。

      今はう〜んと後ろ髪を引かれておいて

      う〜んと日本で疲れたらまた来よう。

      このゆるい空気で思いっきり深呼吸しに。

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      口笛

      2010.09.14 Tuesday 22:26
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        昨夜は激しい雷雨をBGMに眠った。



         

        今、フィリピンは雨季。

        世界遺産、危機遺産に登録されている

        ライステラス(棚田)を見ようと

        マニラからバスを乗り継いで「バナウェ」に来た。

        バナウェはコルディレラ山脈の中央に位置する山間の町。

        先にも述べたようにこの時期は雨が多く

        いわゆるオフシーズン。宿も閑散としていた。

         

        午前7時。

        カーテンからこぼれる日差しに心が躍った。

        勢いよくカーテンを開けると

        眩いばかりの朝日が部屋に降り注いだ。

        目を細めながら「だよね」とひとり頷く。

        とにかく晴れ男なのだ。

        屋久島も、梅雨の沖縄も、雨季のバングラデシュだって

        どこへ行ったっていつも晴れ。

        雨男と一緒に行くとそのパワーに負けてしまうが

        ひとりだったら無敵!

        さあ、ライステラスを見に行こうか。


         

        目指すは「バタッド・ライステラス」。

        バナウェから約16km東にあり、

        途中のジャンクションまでは

        トライシクル(バイクタクシー)で行き

        そこから約3時間の登山となる。

        最初はひとりで行こうと思っていたが

        説明を聞いているうちに少し不安に。

        今回はそんなにサバイバルな旅を求めていないし

        大事をとってガイドを付けることにした。

         

        交渉の末、1500ペソ(約3000円)で

        運転手ガイドを確保。

        思ったよりもずっと安く話はまとまった。

         

        昨夜の雨でぬかるんだ未舗装の道を

        左右に大きく車体を揺らしながら1時間。

        ジャンクションに到着。

        ドライバーはここで待っているという。

        ここから登山になり片道約3時間だとか…。
         

        ガイドの名前は忘れた。

        明るく気さくな20歳の青年だ。

        屈託なく笑い、そして気がきく。

        ぬかるみの登山だったので

        彼が先頭を歩き、同じ岩を踏みながら後を追う。

        「ケアフル!ウォッチ ステップ!」

        足元を良く見て!と何度もフォローしてくれる。

        急な斜面は彼が手を差し伸べてくれるし、

        荷物を持とうか? 少し休むかい?

        と、とにかくやさしい。


         


        試合開始
        30分ですでに滝のような汗と

        ゼイゼイと肩で息をする。

        彼はというと、涼しい顔で笑ってるし

        しかも足元はビーチサンダル!?

        なんなんだ、この差は…。

        日本でずいぶん身体が錆ついたのか?

        なにくそ!サムライ魂を見せてやる。

         

        1時間後、中腹にある休憩所に辿り着いた。

        彼曰く、30分以上早く着いたらしい。

        どうだ、見たか。

        コーラを買い、その場にへたり込み汗を拭った。

        この一杯が死ぬほど旨い!

        「好きなものを飲めばいいよ、おごるから」

        と勧めるも、彼は「ノー」と遠慮する。

        ここで買うと高いから、と、なんて慎ましいんだ。

        心を打たれ、「コブラ」と書いてある

        エナジードリンクを勝手に買い彼に手渡した。

        遠慮はいらんよw

         

        「メタモ!」

        教えてもらったフィリピン語で

        「さあ行こう!」の意味。

        彼には日本語を教えてあげ、

        かわりにフィリピン語を教わった。

        ドウイタシマシテ

        と、モウチョットがえらく気に入ったようだ。

         

        そして1時間後、言葉を失った。

         

        目の前には

        すり鉢状に広がるバタッド・ライステラス。

        心地いい風が頬を撫で

        音のない風景に心のざわめきを聞いた。





         

        2000年前。イフガオ族が神への捧げものとして

        造ったといわれるこのライステラス。

        「天国への階段」と呼ばれているとおり

        天に向かって延びていた。

        能登半島(石川県)で見た千枚田や

        ウブド(インドネシア)の棚田も見事だったが

        ここはひと味違った。

        こんな山奥になぜ?

        マチュピチュ遺跡を見たときと同じ気持ちになった。





         

        口笛を吹きながら

        棚田の畦道を歩く。

        ススキが静かに揺れ

        立てた指に赤とんぼが停まった。

         

        秋だなぁ。

         

        時間や季節は立ち止まってくれないけど

        何度だって繰り返す。

        旅は一種のタイムスリップで

        忘れかけた風景や気持ちを鮮明に甦らせてくれる。

         

        題名のない口笛が響く。

        穏やかな気持ちと興奮が入り混じった

        なんだか不思議な時間を過ごした。

         

        口笛を遠く、

        永遠に祈るように遠く

        響かせるよ

        言葉より確かなものにほら、

        届きそうな気がしてるんだ

        Mr.Children “口笛”より)





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        やさしさのカケラ

        2010.09.13 Monday 22:24
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          トントン、トントン。

          膝を叩かれ目を覚ました。

          腕時計を見る。午前4時。

          早すぎる到着に困惑しながらも

          ここがどこだかを整理する。

           

          「バギオ」

           

          ドラクエの呪文のような街。

          標高1500mだけあって少し肌寒い。

          この街は別名「夏の首都」と呼ばれていて

          マニラ政府が夏季の間移動してくるのだとか。

          午前4時の街はすでに動き始めていた。

           

          地図を見るもここがどこだか定かではない。

          宿の客引きに場所を聞いてみると

          郊外のバスターミナルで、ここから次に目指す

          「バナウェ」行きのバスはないという。

           

          しかしフィリピン人は優しいし大人しい。

          しつこく宿を勧めてこないし、

          親切に応対してくれる。

          彼から「KMS」というバス会社を教えてもらい

          歩き出すも、ほんの5分で断念。

          暗すぎるし、まったく方向に自信がない。

          さきほどの場所に戻り、別の人に声をかける。

           

          「じゃあ俺の車で行くか?」

          白タクかぁ…少し戸惑うも

          たったの10ペソ(20円)でいいと言うし

          乗ってみるか。

           

          10分後、KMSの小さなバスターミナルに到着した。

          オフィスは閉まっていたがベンチに客らしき人がいたので

          尋ねてみると、出発は午前8時だという。

          あと3時間半。長いな…。



           





          することがないので街を散策。

          薄暗い路地に一瞬たじろぐも

          「ハロー」と声をかけると笑顔が返ってくる。

          やさしい人とやさしい街。

          フィリピン、いいところだぜ!

           

          一軒のレストランに入り、

          ソーセージエッグを注文。

          30ペソ(約60円)で3時間近く粘るも

          嫌な顔ひとつしない。




           


          再びバスターミナル。

          オフィスに向かおうとすると

          さっきのおじさんが「こっち、こっち」と手招きする。

          荷物を車内に運んでくれ、

          チケットの買い方を教えてくれた。

           

          ■バギオ→バナウェ 所要時間9時間/450ペソ(約900円)

           

          席は一番前の窓側。

          通路側の席には荷物を置かせてくれた。

          窓を大きく開け、顔を半分出しながら

          カメラを構える。

          ときどき運転手と話をし

          大きなカーブに身体をよじった。

          トロトロと山道を走るバス、

          時間が全く気にならなくなった。



           





          まどろみに似たこのやすらぐ感じ。

          なんと表現したらいいのかわからないが

          脳はどっしりと落ち着き、

          心はざわざわと昂ぶっている。

          流れる景色に瞳を輝かせ、

          あの“世界一周”をしたときの自信が甦る。

          これからもずっと、異国のバスに揺られるたびに

          この気持ちを思い出せるのだろう。

           

          バスの中で現地の人と仲良くなった。

          フィリピンの人たちはホントに英語が上手く

          しかもゆっくりと話してくれる。

          くったくなく笑い、そしてやさしい。

          休憩所で昼食を一緒に摂り、

          車内ではおやつやバナナをもらった。

          お互いのiPhoneを交換し

          音楽を聴きながら一緒に笑う。

           

          日が傾きかけた午後5時。

          「バナウェ」という小さな町に着いた。

          メインストリートは100mほどしかなく

          切り立った崖に町があった。

          なんだかアフリカにいるような錯覚に陥った。

          こんな感じの町がいくつもあったっけ。

           

          宿は「ステアウェイ・ロッジ」に決めた。

          シングルルームで1泊200ペソ(約400円)。

          水シャワーなのが難点だが、久々だしがんばろう。

           

          フィリピンは喧騒と緊張をイメージしていたのだが

          やさしさと穏やかさに包まれている。

          そしてあの頃の“自信”も取り戻した。

          何かをはじめるとき、旅はそっと背中を押してくれる。

          「がんばろう」

          日本に帰るのが早くも楽しみになってきた。

           

          60 フィリピン | comments(0) | trackbacks(0) | - |

          はじまりの夜

          2010.09.12 Sunday 23:18
          0


             

            また旅がはじまる。いい響きだ。



             

            何かをはじめたり、気持ちを切り替えるなら

            旅に出るのが一番。

            日常からすこし距離を置いた場所にいくと

            心がすっきりして新しいチカラが湧いてくる。

             

            成田空港に着くと少し気持ちが高まった。

            チェックインを済ませ、

            手荷物検査、出国審査とスムーズに流れていく。

            背筋を伸ばして、かかとを鳴らしながら

            出発ゲートへ向かう。

            夜の空港は大人びていて日常から非日常への

            旅立ちをそっとエスコートしてくれる。

             

            いいなこの感じ。

             

            これまで62ヶ国を巡ってきたが

            まだまだ世界は広く、

            知らない場所がたくさんある。

            思い切って8日間の休みを取り、

            勢いまかせで買った航空券。

             

            1915 デルタ航空 成田→マニラ(フィリピン)

             

            フィリピンはまだ行ったことがなかった。

            航空券も現地の物価も安いのが魅力。

            それでいて、わりと緊張感もあるような。

            結局、当日まで現地での予定は決めず、

            機内でペラペラとガイドブックをめくってみた。

            こんな感じの旅がやっぱり好きだ。

             

            機内でしっかり予定を立てようと意気込んでいたが

            隣に座ったフィリピン人の男性がやたらしゃべりかけてくる。

            人懐っこい。たしかそんな風にガイドブックに書かれていた。

            久々の英語に苦戦しながらも約4時間、

            たわいもない会話を交わし、

            ガイドブックは閉じたまま脇に置いた。

            ゴウゴウと音を立てながらやがて飛行機は下降。

            オレンジの街明かりが見えてきた。

             

            「マニラだ…」

             

            2230、マニラ空港に着陸。

            タラップを降りると懐かしいアジアの香りがした。

            生ぬるい空気、スパイスの混じったにおい、オレンジの光。

            紛れもなくここはアジアだ。

             

            入国審査を手早く済ませ、メータータクシーに乗り込む。

            行き先は「パサイ」。

            機内で隣に座ったフィリピン人によると

            こんな時間でも長距離バスは動いているという。

            空港で夜を明かすつもりだったが心が動いた。

             

            遠くへ行きたい

             

            パサイのバスターミナルでタクシーを降り

            チケットブースへ。

            「バギオに行きたいんだ」そう告げると、

            まさに出発しようとしているバスを指差した。

            グッドタイミング!

             

            ■マニラ→バギオ 所要時間5時間/650ペソ(1300円)

             


            飛び乗ったバスはデラックスタイプで、

            シートは通常のバスの1.5倍はある。

            これは広くて快適だ。

             

            車窓に吸い込まれるように流れていくオレンジの街灯。

            道路を横切る人々、派手なクラクション。

            ところどころに屋台がたっていて

            街のネオンが夜を彩る。

             

            爛々と目を輝かせ車窓の景色を眺めた。

            夜に、街に、アジアに溶け込んでいく―。

            自然と笑みがこぼれ、

            「これだよ、これ!」

            何度も心の中で呟いた。

             

            60 フィリピン | comments(1) | trackbacks(0) | - |

            旅日記

            2010.09.12 Sunday 22:50
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              JUGEMテーマ:ニュース


              旅に出ています。

              ネット環境が悪く、
              リアルタイムで旅日記が更新できず無念、、、。
              都会に着いたら更新する予定。

              久々の流浪にテンションはMAX!!
              - | comments(0) | trackbacks(0) | - |

              眠れない夜に

              2010.07.17 Saturday 03:05
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                JUGEMテーマ:日記・一般
                 


                なんだか疲れたなぁ。

                疲れると、眠ることすら疲れてしまう、、、。

                ようやく出張先から東京に戻って、

                仕事の締め切りが終わって、

                W杯の選手みたいに「燃え尽きた」感に酔って。

                でも、次はどうしようかと迷って。

                 

                旅をしてるころはちゃんとゴールがあったから

                迷いながらも前に進んでたけど、

                日常ってそうはいかないものだ。

                前に進んでるのかもわからないし、

                どっちが前かすらも怪しい。

                モヤモヤして、ため息ついて、床にへばりついて。

                そして1日が過ぎていく。

                 

                なーんて文字にしてみたら少し落ち着く。

                忙しさにかまけてブログもほったらかしだけど、

                ときどきはここに来て

                文字で気持ちを整理しなきゃね。

                 

                 

                - | comments(2) | trackbacks(0) | - |

                名前をつけてやる

                2010.06.01 Tuesday 20:44
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                  JUGEMテーマ:ニュース



                  『名前をつけてやる』
                  スピッツのアルバムか曲にそんなタイトルがあったような。

                  そう、名前をつけてます。

                  画数で漢字を組み合わせ、男の子・女の子の
                  名前をひたすら考えるという
                  なんとも不思議な仕事が舞い込んだ。

                  全部で5000パターン!

                  うーん、気が遠くなる。
                  漢字の表を見ながら、漢和辞典を見ながら
                  あーでもない、こーでもないと
                  一日中ぶつぶつ、カタカタ。
                  今日は1日で500ほど名前をつけた。

                  変な仕事。これもライターの仕事だろうかw

                  さて、明日から「旅する写真展」の第五弾が始まります。
                  4時間かけて展示準備しました。
                  場所は埼玉県春日部市。
                  まったりと北欧調の隠れ家カフェです。

                  今までで一番上手に飾れたようなw
                  ぜひ旅をしに来てください。











                  ■旅する写真展 vol.5

                   

                  Smiles, Mile after Mile

                  〜旅する写真展、笑顔で世界をリンクする〜



                   

                  世界中を巡り、Mile after Mile(何マイルにもわたる)旅を経験してきた3人。長い旅の途中で私たちの力となってくれたのが、その土地で出会った人々。かけがえのない出会いと笑顔を目にして、Mile after Mile(どこまでも続く)世界へ一緒に旅しませんか?

                   

                  矢田和彰(やだ かずあき)

                  鈴木博子(すずき ひろこ)

                  菊池一馬(きくちかずま)




                  <開催期間>

                  6/2(水)〜19(土)

                   

                  <会場>

                  5(ファイブ)

                   

                  344-0062

                  埼玉県春日部市粕壁東1-2-13

                  tel.048-755-5458

                  Open 13002000

                  毎週日・月・火曜日休




                   
                  NEWS!! | comments(7) | trackbacks(0) | - |

                  「旅する写真展」開催します!

                  2010.05.27 Thursday 22:41
                  0
                    JUGEMテーマ:ニュース
                     

                    また写真展をします。

                    あの世界一周の旅を振り返り、

                    今度は写真展で全国を旅するこの企画。

                    福井、東京、兵庫、大阪と来て

                    今回は埼玉県(春日部)にて開催。

                     

                    節目の5回目で、

                    会場となるカフェの名前もなんと

                    『5』(←ファイブ)

                    春日部駅から徒歩3分、

                    ちょっと隠れ家的なカフェ。

                    壁の無機質なコンクリートと

                    机の木のぬくもりが上手くマッチした

                    どこか北欧の香りが漂う。





                     

                    さて、最近はというと

                    取材であっちこっち飛び回ってて

                    秋田、大阪、長野、鳥取、奈良、石川、滋賀…。

                    月の半分はホテル暮らしが続いている。

                    楽しいことは楽しいんだけど、

                    人間らしい生活はできないね。

                    ホテル暮らしは一見快適そうなんだけど、

                    なぜか疲れが抜けない。

                    やっぱり自分の落ち着ける場所って必要なんだね。

                     

                    次は沖縄取材も決まったし、

                    まだまだ突っ走るしかないいんだけどね…。

                     

                    気分転換に写真展をするんで

                    ぜひ遊びに来てください。

                    あぁ、海外に行きたいな…。

                    自分の写真を見ながらふと思う。

                     

                     

                    ■旅する写真展 vol.5

                     

                    Smiles, Mile after Mile

                    〜旅する写真展、笑顔で世界をリンクする〜



                     

                    世界中を巡り、Mile after Mile(何マイルにもわたる)旅を経験してきた3人。長い旅の途中で私たちの力となってくれたのが、その土地で出会った人々。かけがえのない出会いと笑顔を目にして、Mile after Mile(どこまでも続く)世界へ一緒に旅しませんか?

                     

                    矢田和彰(やだ かずあき)

                    鈴木博子(すずき ひろこ)

                    菊池一馬(きくちかずま)

                     

                     

                    <開催期間>

                    6/2(水)〜19(土)

                     

                    <会場>

                    5(ファイブ)

                     

                    344-0062

                    埼玉県春日部市粕壁東1-2-13

                    tel.048-755-5458

                    Open 13002000

                    毎週日・月・火曜日休

                     

                     

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                    ころんぶす、東海へ進出!

                    2010.04.06 Tuesday 02:44
                    0
                      JUGEMテーマ:ニュース



                      世界一周の旅の記録、『平成ころんぶす』が
                      福井県を飛び出し、東海地方で放送決定!
                      あの旅が終わってもうすぐ1年、あの日の自分は
                      まだまだ旅を続けています。

                      4/5(月)から放送が始まったみたいですが、
                      放送日時はの「東海ケーブルチャンネル」番組表をチェックしてください。
                      全12話(1話30分)、ドタバタの珍道中と僅かの感動をお届けします。

                      東海ケーブルチャンネル 配信局20社26局
                      アイ・シー・シー/大垣ケーブルテレビ/おりべネットワーク/キャッチネットワーク/グリーンシティケーブルテレビ/ケーブルテレビ可児/CAC/シーシーエヌ/ シー・ティー・ワイ/スターキャットケーブルネットワーク/知多半島ケーブルネットワーク/知多メディアスネットワーク/中部ケーブルネットワーク/豊橋ケーブルネットワーク/西尾張シーエーティーヴィ/浜松ケーブルテレビ/ひまわりネットワーク/三河湾ネットワーク/ミクスネットワーク/飛騨高山ケーブルネットワーク

                      最近はなかなか海外に行けなくてモヤモヤしてるけど、
                      毎月国内を旅してるので、旅の模様もゆる〜く更新していきます。
                      NEWS!! | comments(3) | trackbacks(0) | - |